御厨亮

東京都出身。『スパイダーマンみたいにビルにぱしゅってして飛び回ったりしたいよ』 

ー出身はどこですか?
えーっと、東京都です。えーっとぉ、京都と東京。えーっとぉぉ、そうですね、出身地、そうですね。
なんかコロナ以降、東京が結構好き。コロナ前は全然住みたくなくて。コロナ以降の東京の在り方が好きでちょこちょこ帰ってきてて。なんかいいなと思ってる。
ここにいるなあって場所か、は、無いかも。なんか東京にいる時は、ジョジョのスタンドじゃないけど自分の幽体がいる感じ。東京にいる時はスタンド。
鴨川とかじゃないですか?鴨川見ると京都に帰ってきたなぁと思います。京都の方が帰るって感じが強いです。東京は行くって感じ。おれね、1歳から4歳はアメリカ住んでて、そっから東京戻ってきてて。10年以上だよね。でも京都も同じくらいよりかはちょい多いか。20代から30代くらいの10年を京都、20年くらいは東京。
原風景ってあるじゃないですか。ここにいるな場所って、それって僕にとってコンプレックスで、東京にいるときはここにいるなってのがなくて。アメリカに住んでたときに、ボストンに住んでたんですけど、銀杏の並木の、そこを自分が歩いている。原風景。

ーあなたのユートピアはどんな場所ですか?
理想郷はってことですか?竜宮城みたいな、地下にある物。
ディズニーランドの地下がいい。マイケルジャクソンがディズニーランドの地下でパーティーしてたっていう噂を聞いて、そこがいい。

ー理想の自分はありますか?
パワプロのサクセスってあるでしょ。高校からプロ野球選手を育てる。御厨ってのを作って、で、そこで3年間野球やって、マイライフってのがあって自分の好きな球団に入って好きなプレイができるのね。巨人の選手になったり女子アナと付き合ったり。いま年俸五億円。子供も女の子と男の子 りま と りく。もう一人の御厨っていうのがいたら巨人の4番。
全然理想ではなくて、ゲームだから。ゲームでさ、弱くできないじゃない、自分を。基本強くないとその世界で生きてはいけないから。だから続けるため、生きるためには、ヒットを撃ち続けなければいけないし活躍し続けなければいけない。そういう厳しい世界に自分は今いないから、ゲームだけはそこでやる。シュミュレーションだからね。だからサッカーも監督に自分がなって、俺が監督だったらこのチームこうしたいっていうのがほんとはあるから、それをしているだけ。神の視点。神の動きで全てを支配できるわけ、その感じかな。別にそれを求めてるわけではない。あくまでゲームだと思ってやっている。

ー理想の東京はありますか?
えっと。すっごい選民思想になるけど地方の人は入れない。ぼく、東京の年末年始大好きなの。みんな帰ってるから実家に。電車に乗りやすいのすごい。あるべき東京の姿があるなと思う。それは自分が元から東京の人だから、えばってるからじゃなくて、単純にそう思う瞬間がある、年末年始に。僕が一番好きなのは東京の年末年始、人が少ないから。
東京独自の文化は生まれるんじゃないかな。鎖国も発展したかしないかでいうと、独自の文化と芸術が発展して、鎖国が解かれてさらに生まれたものがあるから。空想妄想。長野だったらこれ、京都だったらこれ、っていうように、東京だったらこれ、っていう本物が生まれるかもしれない。わからないけど。
そうでしょうね、東京の景色は書き割りとかハリボテ。東京タワーとかランドマーク的な物全て、8時だよ全員集合の、ぺんって押したら 倒れる感じしかしない。でもなんか、え、だって東京タワー見て、わあ!って思う?っていう話。東京だなみたいなことって、じゃあ逆に 問うけど何なの?それこそ。
地方の人が都会を作っている、それは絶対そうだと思う。だってさ、 京都の人がさ「何でみんな清水寺行くんや」みたいなこと。 

ー東京はどんなところですか?
忙しい。ひと!もの!こと!全然忙しくないです。東京に地に足をつけていないから。常に半身。全身で生活とか生きてはいない、東京で。三分の一京都、三分の一東京、三分の一まだわからない、ここ、30代になってからずっと探しています。

店が多い。人が多い。大学が多い。会社が多い。東京出身の人が少ない、かな。おすすめは、ある程度自分でアクティビティを持っていたら色んな趣味とか遊び方を見つけられる。それくらい。よくないとこは満員電車と、めちゃくちゃ俺がこれをいうと差別的になっちゃうけど、田舎者が多い。田舎より田舎者が多い。田舎者だったっていう自覚がないまま東京で何かを叶えようとしている。東京に来て満足している人がいる。イラっとする。あと東京に来たら夢を叶えられるって思ってるとこかな、資本主義の権化みたいな都市だなと思う。情報量が多い。

行ってみたい場所はありますか?
台湾、ラオス、スペイン、スイス、スウェーデン、フィンランド、ロシア(うそほんと)、アルゼンチン(うそほんと)、メキシコ(ほんとうそ)、もっぺんアメリカかなあ。オランダ行きたい。あ、国内は全部行きたい。ていうか簡単に行けるからいつでも行けるって思っちゃってる。どこでも行きたい。

ー成功していることはありますか?
自分の似合う服を見つけられたこと。スタイリング含めて多分30年かけてようやく見つかった。自信持って、服装に関しては、自分のもの っていうのはあるね。
ひとつは自分が本当に出たいと思った舞台のオーディションを勝ち抜いたこと。それ落ちたらやめようと思ってたから。だから今も続けてる。一回成功しちゃったからね。
成功しているていうか。まあ、親が文化人のとこで生まれてるってこと、自慢にはならないけど。あとはまぁ、すげえダサいけど海外に住んでるとか、東京に持ち家があるとか別荘があるとかぐらいかな。うーーん。昔は煩わしかったり なくてもいいと思ってたけど、自分の心の豊かさには繋がっている気がするから、今はありがとうと思いながら感謝の気持ちです。

ーユートピアでの1日を教えてください
その日は、髪が伸びすぎていたのでパーマをかけた。朝イチで羽の手入れをして矢尻を磨き、窓を開けて50m先にいる鶏に向かって矢を放つ。鶏に矢が刺さり、コケ、という前に大きい大きい鐘の音が鳴る。と同時に自分がどんどんどんどん空中にあがって、30分かけて天じょうへ行く。天じょうは、天の上。で朝ごはん。雲子(くもこ)を食べる。雲子ってどっち?関西?関東? 白子や、白子を雲子って言うねん。白子ポン酢、雲子ポン酢。雲子を食べ、お口直しに綿飴を食べ、豪快にオナラをして、LUUPより速い時速でまわりを巡り巡る。軌道は八の字になり18回くらい往復したのちに身体が疲れて落下する。地面に落ちる寸前、幅五センチくらいのところで止まり、そのまま33から37度くらいの生暖かい水が自分の身体を覆う。これがウォーターベッド。心地良くなり時間を忘れて眠る。ただ寝相が悪いと溺れて死んでしまうので、僕のウォーターベッドは特別な仕様です。
次の日は起きると目玉焼きの黄身のてっぺんに寝ていて、起き上がってちゃんと立つと黄身が潰れて、白身に黄身がゆき届きます。あとは醤油のシャワーを身体全身に浴びて、目に入ると目が潰れるので目を瞑って、身体を前方に投げ出し黄身とローリング。あとは、これからやってくるであろうツキノワグマを待つ、だけ、以上。
なんかあんまユートピアやることないねん。仕事する時間も必要ってこと。だからメリハリですよ。

ー理想の1日を教えてください
その日は、まぶしいなあと思って目が覚めて、起きる前に奥さんor恋人のおでこにキスをして、飼っているペットのウェルシュ・コーギーのつくねを起こして餌をやり、猫のロシアンブルーのつきみにも餌をやる。もちろん朝の曲はジャクソンファイブの「アイウォンチューバック」。朝の役割は僕がまずコーヒーを淹れる。コーヒーは自動じゃなくて手動でガリガリするやつね。二杯分の豆を引き、その香りで恋人ないしは奥さんが起きてくる。彼女に白湯を渡し、自分も一杯の白湯を飲む。自分がコーヒーを淹れてるあいだに彼女が朝ごはんを作り始める。朝ごはんはシンプルで味噌汁と白いご飯。あとは各自お好みで漬物か海苔か納豆かたまごか。これはその日の気分で選択する。食べ終わって観葉植物に水をやり、ふたりで近くの公園まで散歩をする。もちろん、つくねを連れて。散歩はだいたい30分くらいかな。公園の近くに川とかがあれば理想ですね。近所のおじいちゃんとかおばあちゃんとかにおはようございますの挨拶をして家に戻り、それぞれが家で出来る仕事をする。それは洗濯をしたり掃除したり、内職でもいいしリモートワークでもいいし、なにか家で出来る趣味の時間でもいい。自分だけのそれをして、ちょっとだけふたりで最近ハマっているYouTubeのエクササイズ・筋トレ・ストレッチ・ヨガ。そのときにハマっているのをすこし。そうこうしていたらお腹が減ってきたので、お昼はパスタです。絶対パスタです。だいたいパスタは決まってて、前日の冷蔵庫の残り物でペペロンチーノを作る。もしかしたら人に会うこともあるかもしれないから、にんにくは1かけのみ。辛いのが好きなので唐辛子は種まで入れます。で、一杯だけ白ワインを飲みます、一杯だけね。白ワイン一杯とペペロンチーノ。それだけだとバランスが悪いつって、彼女がサラダを出してくれます。すげえ。僕は料理をするのは好きだけど、なにせ包丁で物を切るのが嫌いなので全て彼女にやってもらっています。ありがたいな。火を使うものは僕が全部やります。塩と胡椒とオリーブオイルで作った、まあその時の気分によって配分は変える彼女ドレッシングでサラダを食べます。僕はちょっと酸っぱい方が好みです。そうしたら、どこ行こうかななんて言いながら街に出ようと思う。でも街っていっても自分の自宅の最寄駅から二駅か三駅くらいの街かな。そこにいって本屋に行くでもよし、カフェでダベるのでもよし、洋服を買うでもいい。銭湯行ってもいい。あぁ、そういえば下着、パンツとか買い替えたいな、みたいな会話。なんかとにかく街でぼーっとしながら買うものの予算は5000円以内。その日使うお金は、ちょっと良いもの買う場合は一万未満。お互いに要相談。で、街でひとしきり遊んだ後は、夕方にかけてかなぁ。もつ焼きのうまい、もつ串かな、豚串かな、店に入って立ち飲みでもいいからねぇって。そこでホッピーを飲みます。彼女は白を、僕は黒を。お互いに交換して混ぜたりして。まぁだからそれで2つ。ふたりで多くて串は5本くらい、お酒は3杯くらいできりあげて。で、そのあとはお互いに食べたいものを外食しに行く。イタリアンでも中華でもいいし、フレンチはちゃんとお洒落して行きたいからその日はなし。その日食べたいものと飲みたいもので決めて、気分で最後バーに行ってもいい。ただ飲み過ぎは注意。バーに行った場合は、めんどくさいのでタクシーで帰る。バーによらない場合は電車で帰って散歩。彼女はさけるチーズが好きなので、唐辛子味のやつね、僕はスモークが好きなので、それを買って家でお互いが好きなお酒を飲みながら何かのサブスクを見る。スイッチをやるか、PS5やるか、YouTube見るか、お互いの好きなものを見るか、だらっとして、そして、くっついて寝る。そして次の日は、起きてまた同じように、つくねとつきみに餌をやり、そして早朝の、近くの銭湯の朝風呂に彼女と二人で行きます。サウナにも入りますよ。整えに行きます。最高。幸福感。だいたいイメージめちゃくちゃ吉祥寺だったけど。だからあれだな、夕方銭湯とか。そんなに無理な幸せを求めてない。

ー理想の死に方を聞かせてください。
でも厨二みたいな考え方だけど、昔は暗殺されたかった。一番理想の死に方は、源実朝っていう3代目の将軍がいるんだけどその人が、なんか神社かな、こう階段を上がっているとき後ろからバンとされる。それで誰かわからないまま死ぬっていう。当時の僕ね。
今は理想の死に方は、サウナ入って水風呂入って外気浴して、そのまま気持ちよくなっている状態の時に五、六人くらいに抱えられて、海に浮かべられて意識を失って死にたいです。すーって。なんか水の中がいいかも。溺れる死に方じゃなくてね。ざぶーんみたいな、で、できれば、深海魚になってアンダーザシーを歌いたいですね。