

『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』

ひとの世のなべてのものは、
束の間に流れ去る。
そして、流れ去るものはやがて
なつかしいものへ……








👤上演にあたって
『楽屋』は清水邦夫によって1977年に書かれました。戯曲を読んでいると、まるで大昔の作品のように感じられますが、1977年といえば、ダッカ日航機ハイジャック事件が起きた年です。福田首相が「人の命は地球よりも重い」と述べ、16億円の身代金の要求を受け入れたことが記憶に新しいです。また、「女は短大、男は四大」という進学の「定番」が確立されつつあった時期でもありました。この時、男性の四年制大学進学率は1961年に15%を超えていたにもかかわらず、1975年の女性の進学率は12.7%にとどまっていました。
当時、男女の格差は当たり前で、だからこそ1977年に書かれた『楽屋』の世界では、女優に焦点が当てられたのではないだろうかと考えました。
地球よりも重い命とは、ただ生きているだけでいいのでしょうか。
2025年の私たちは、性別に関係なく、役者のことを「俳優」と呼ぶようになりました。これは、より良く生きるために積み重ねられてきた人間の努力の成果の一つだと考えています。
『楽屋』には四人の「女優」が登場します。生死を超えて、さまざまな事情を抱えた彼女たちの姿が描かれています。
1977年当時、「女優」が背負っていた意味は2025年の私たちには読み取ることができないかもしれない。
けれど、「人間」の苦しみとしてなら或いは理解することができるのかもしれません。
そのような1つの新しい挑戦として『楽屋』を上演します。
👤清水邦夫『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』
そこはチェーホフ作『かもめ』のニーナ役のための楽屋。
二人の「女優」は身支度に余念がない。
けれど、彼女たちには決して出番が訪れることはない。
長い長い夜、終りなき稽古が続いていく。
「もう少ししたら、なんのために私たちが生きているのか、なんのために苦しんでいるのか、わかるような気がするわ……それがわかったらねえ、それがわかったら……」
清水邦夫
劇作家、演出家、小説家。新潟県生まれ。早稲田大学演劇科在学中に処女戯曲『署名人』(1958)を発表。岩波映画入社後、ドキュメンタリーや映画のシナリオを執筆。1965年にフリーランスへ転身し、本格的に劇作家の道へ。特に1960年代後期から、演出家の蜷川幸雄氏と組んで清新な作品を次々と送り出し、多くの支持を集めた。1994~2007年多摩美術大学教授。2002年紫綬褒章、2008年旭日小綬章受章。
上演映像
出演者

伊東沙保
Ito Saho
千葉県出身。大学在学中から演劇に関わり、卒業後就職を経て演劇活動を開始。チェルフィッチュ、地点、サンプル、五反田団、ハイバイ等の作品に参加。
近年の主な出演作に、スペースノットブランク『光の中のアリス』、滋企画『OTHELLO』、KAAT×東京デスロック×第12言語演劇スタジオ『外地の三人姉妹』、木ノ下歌舞伎『糸井版 摂州合邦辻』、モダンスイマーズ『だからビリーは東京で』、新国立劇場『かもめ』、映画『春原さんのうた』(杉田協士監督)、『魚座どうし』(山中瑶子監督)など。
X:@sahoito

キキ花香
Kiki Hanaka
俳優/衣装/tattooer
2009年〜2022年まで劇団子供鉅人に所属。今はフリーランスの俳優として活動。また、近年は舞台や映画の衣装スタイリストやタトゥアーとしても活動の幅を拡げている。
2023年には"ティンクトンユ"という演劇のユニットを仲間と立ち上げる。
近年の主な出演作に、市原佐都子/Q『妖精の問題デラックス』中野坂上デーモンズ『かみ』『安心して狂いなさい』、ティンクトンユ『202』『733000』、鄭義信『密やかな結晶』など。
Instagram:@kikiiikiki/@quinquintattoo/@tty__tty__tty

日下七海
Kusaka Nanami
1995年12月27日生まれ。大阪府出身。
クラシックバレエとコンテンポラリーダンスで培った身体性で、所属している劇団「安住の地」では人間離れした役どころを担うことも。
特技は20年以上続けている中国琵琶。自身で作曲もこなす。
主な舞台出演作品に『鴨川ホルモー、ワンスモア』(演出:上田誠)、『テラヤマキャバレー』(演出:デヴィット・ルヴォー)、安住の地『凪げ、いきのこりら』(演出:岡本昌也/私道かぴ、)ハイバイ『再生』(演出:岩井秀人)、『夜は短し歩けよ乙女』(演出:上田誠 )など。
web
X:@Nady_animal
Instagram:@nady_kusaka
西山真来
Nishiyama Maki
京都生まれ。神戸大学発達学部にて美術を学ぶ。在学中に演劇ユニット「象、鯨。」を旗揚げ、作、演出、出演を行い演劇作品を発表。解散後、主に映画、演劇を中心に出演する。
白石晃士監督『コワすぎ!』シリーズ、坂本礼監督『二人静か』、濱口竜介監督『寝ても覚めても』、酒井善三監督『カウンセラー』、黒沢清監督『スパイの妻』などの映画や、
コンプソンズ、モメラス、マレビトの会、玉田企画、円盤に乗る派などの演劇作品に出演。
2023 年、初監督作『手と心が一致していない』がオムニバス映画の一編として公開。
上演記録
2025年2月15日(土)〜2月24日(月・休)
会場:アトリエ春風舎
演出・美術:河井朗
ドラマトゥルク・衣装:蒼乃まを
出演:伊東沙保、キキ花香、日下七海、西山真来
音響・照明:櫻内憧海
記録・当日運営:manami tanaka
当日運営:金井美希
記録撮影:稲川悟史
主催・企画・製作:ルサンチカ
協力:株式会社スタジオオーデュボン 、有限会社レトル、お布団、青年団、伊奈昌宏
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】
【掲載情報】
・2025年2月16日
ステージナタリー ルサンチカが“違和感にできるだけ目を逸らさないよう”立ち上げた、「楽屋」開幕
・2025年3月5日
読売新聞 舞台合評
Mail|ressenchka@gmail.com
2019 ©︎ Ressenchka













